研究・論文

アカデミー賞でも話題になったフェアトレードやオーガニックの商品を購入する消費者の実態とは?!

2020年7月28日

人や地球にやさしいドレスアップが最新トレンド?!

今年のアカデミー賞では、フェアトレードジュエリーやオーガニックシルクのドレスといった、サステナブルな衣装が話題になりました。

トレンドの最前線ともいえるフェアトレードやオーガニックといった人や地球にやさしい商品は、一般消費者にどれくらい購入されているのでしょうか?また、それらを購入する層には、どのような特徴があるのでしょうか?

【アカデミー賞2020】サステナブル全盛! レッドカーペットの最旬ドレストレンド

レッドカーペットにおけるサステナビリティの波がさらに活発化し、アーカイブや着まわし、生地を再利用するなど、さまざまなアプローチが見られた今年のアカデミー賞でのドレス。定番となったモノトーンドレスはキャラ立ちが目立ち、例年にないほどの個性派ドレスアップの宝庫に! 終了直後のレッドカーペットから、トレンドを深掘り。 このドレスは「シャネル」1994春夏オートクチュールコレクションで、クラウディア・シファーが着用したデザイン。前哨戦ともいわれる英国アカデミー賞(BAFTA)では "サステナビリティ"がドレスコードに設定されたことも話題になったが、マーゴットは 今年のカンヌでもメゾンのアーカイブを着用し、積極的にサステナビリティを発信し続けている。 特に話題になったのが、ドレスの上に羽織ったガウン。ところどころにゴールドの文字で刺しゅうされてある英字は、素晴らしい功績を残しながらも、監督賞にノミネートされなかった女性監督たちの名前。『フェアウェル』のルル・ワン、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグ、『ハスラーズ』のロレーヌ・スカファリアらに敬意を示すと同時に、オスカーにおいての男女格差を訴えた。 This content is created and maintained by a third party, and imported onto this page to help users provide their email addresses. You may be able to find more information about this and similar content at piano.io

論文紹介:Segmenting Consumers According to Their Purchase of Products with Organic, Fair-Trade, and Health Labels

今回はそんな疑問を、オランダの約5000世帯における20週間分の買い物履歴と対象世帯の一部から得られたアンケート回答を統計的に分析することで、明らかにした論文をレビューしていきます。

具体的には、各世帯がオーガニックとフェアトレード、そして健康商品(日本でいうトクホのイメージ)に、どれほど支出したかのデータを潜在クラス分析※し、4つの消費者グループの存在を指摘しています。
※潜在クラス分析:大量のデータから特定の行動パターンを取る層を抽出・グルーピングすることに長けた分析

now publishers - Segmenting Consumers According to Their Purchase of Products with Organic, Fair-Trade, and Health Labels

Publication Date: 19 Oct 2016 Download article In this article: Purchase Behavior of Products with Different Labels Abstract Using actual purchase data of food products with different labels, we examine Dutch consumers' purchases of organic, fair-trade, and health labels.

フェアトレード商品/オーガニック商品とは?

4つの消費者グループや論文の示唆を読み解く前に、そもそもフェアトレード商品とオーガニック商品とは何かを簡単に説明した上で、分析対象にそれら2つと健康商品がふさわしい理由を解説していきます。

フェアトレード商品:発展途上国の生産者から適正な価格・条件で購入した商品などで、そうした人たちの自立や貧困解消につながるもの

オーガニック商品:農薬や化学添加物などを使用せずに栽培・加工された商品などで、環境や生産者への負荷が小さいだけでなく、安心して使えるもの

出所:http://www.apsp.or.jp/socialproducts/

フェアトレード商品は、他者に対する配慮、すなわち利他性が強い商品です。
一方、健康商品は言うまでもなく、自分や身の周りの人に対するメリット、すなわち利己性が強い商品といえます。
そして、オーガニック商品は無農薬やケミカルフリーであることが、生産者や生態系に対する悪影響の緩和、ならびに自分自身の健康にもつながるので、利他性も利己性もある商品です。

したがって、フェアトレード商品とオーガニック商品、健康商品の購入パターンから消費者をグルーピングすることは、買い物や商品選びにおいて、人や地球に対するやさしさ:利他性が、どれくらい関わってくるかを分析する上で、絶妙なチョイスといえるわけです。

人や地球にやさしい消費をする層は14%?!4つの消費者グループを解説

①利他層(4%)
全体の4%にしか満たないこのグループは、フェアトレードとオーガニック商品は沢山購入しますが、健康商品はそれほど買わない人たちです。著者のVerhoef氏は、そうした消費者の特徴として自分の買い物が未来に及ぼす影響を気にする傾向が強いことを挙げています。また、フェアトレード商品とオーガニック商品は、同一のターゲットを設定&(利他性に訴えかける)プロモーションを展開することが可能であるとも述べています(フェアトレードorオーガニック商品だけ購入する層は抽出されなかった)。

②利他×利己層(10%)
10%を占めるこのグループは、フェアトレードもオーガニックも健康商品も沢山購入する層です。フェアトレードとオーガニックを購入する層はここまでですので、人や地球にやさしい消費をする人は、全体の14%と言えます。またVerhoef氏は、オーガニック商品には健康的な側面があるにも関わらず、消費者は地球環境や生産者などに配慮があるという特徴だけを認識しているとも述べています。さらに、この層も自分の買い物が未来に及ぼす影響を気にする傾向が強いそうです。

➂利己層(29%)
約30%を占めるこのグループは、トクホのような健康商品のみを購入する層です。自分や身の周りの健康には関心があるものの、地球や人に対する影響などには関心がない層と言えます。実際、自分の買い物が未来に及ぼす影響を気にする傾向も低かったそうです。Verhoef氏は、オーガニック商品の健康的な側面をアピールすることで、同市場の裾野を拡大できる可能性があると指摘しています。

➃無関心層(57%)
約60%を占めるこのグループは、フェアトレードもオーガニックも、健康商品も購入しない層です。価格に敏感で、お買い得な商品を求める傾向が強いです。他の特徴としては、家族の人数が多い、男性が多い、学歴が低いなどが挙げられています。

SDGs達成に向けて

フェアトレード商品は、公正な取引を通して発展途上国の生産者の経済的自立を促すことが、SDGs1「貧困をなくそう」SDGs10「人や国の不平等をなくそう」などにつながります。

オーガニック商品は、無農薬であることが健全な生態系や水資源の保護につながることから、SDGs3「すべての人に健康と福祉を」SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」SDGs15「陸の豊かさも守ろう」などにつながります。

そうした人や地球にやさしい商品を開発・展開し、持続可能な消費を広げていくことは、SDGs12「つくる責任 つかう責任」を果たすことに他なりません。

この論文は、フェアトレード商品やオーガニック商品における適切なマーケティングを策定するヒントになるのではないでしょうか。

この記事に関連するSDGs

 

参考文献

Verhoef, P. C., & Van Doorn, J. (2016). Segmenting consumers according to their purchase of products with organic, fair-trade, and health labels. Journal of Marketing Behavior, 2(1), 19-37.

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